マジック

メンタリズムでクロージングを語らないでほしい。

タイトル:商談で相手が○○したら、その日は無理にクロージングするな! 97%の人を操る「マインドリーディング」とは(SBクリエイティブOnline) 公開日 2015年08月26日 10:00
本文:
美輪明宏も絶賛!アジア最強のメンタリストが伝授!
人間の心を読み、思考と行動を操作する香港大学の人気講義
「メンタリズムコース」がついに日本上陸!
Daigoをも凌ぐと言われる、アジア一のメンタリスト、
ロミオ・ロドリゲス Jr.氏が伝える、
読めば誰でもマインドリーダーになれる本。
『97%の人を上手に操る ヤバい心理術』より
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---ここまで引用---(ソース元[LINK切れ])

 元営業職からみて、手品師に「クロージング」を語られたくねぇよ。っと1年前に思った。そして、今更ながらに感想をまとめてみる。なお、リンク先の動画は時間の無駄なので見ていない。

 そもそも論で言ってしまうと元も子もないのだが、マジック(手品)にはそもそもタネ・仕掛けがあるので、マジシャンが「人間の心を読み、思考と行動を操作」はできない。

 そして、マジックなので絶対に失敗しない(*1)。
 心の中を本当に読み取ったりしているわけではなく、タネによって心の中を読みとったり、行動を操ったりしている様に演出しているだけ。
 なので絶対に失敗はしないし、失敗していたらマジックではない。(「マジックではなくメンタリズムだ!」とか言う戯言は却下(笑))
 例えば、心に思っただけの事(初恋の人の名前や好きな料理、今思いついた数字など)を、言い当てたりできるわけがないことは言うまでもない。心が読めている様に「見せかける」のがマジックである。
 なぜ言い切れるかというと、本当に人の心が読めるのであれば「マジシャンなんて職業」をしてない。(「マジシャンではなくメンタリストだ!」とか言う戯言は却下(笑))

 つまり、TVなどでメンタリズムやマインドコントロール、最近ではブレインダイブと称した手品師が心の中を読んだり、マジシャンの予言通りの答えを導き出させたり、心理を操作している演技をしているが、それらはすべて「そう見える。」だけである。つまり、演技・演出であり、心の中を読んでいる様に見えて、実はタネ・仕掛けによって誰でもその答えがわかるようになっている。また、心理を操っているようで、その実(タネは)数学的なトリックやマジシャンズチョイス(*2)などを用いているだけである。

 なので、97%の人(商談相手)を操る「マインドリーディング」と言うのはマジシャンが語るべきことでない。こんなのは詐欺師の戯言である。

 もちろん、「心が読める」や「思考を支配する」と言う演出をマジックとして用いることには問題ない。しかしながら、マジック以外の場(この場合は商談のクロージング)にまで言及し出すと、それは詐欺である。

 あとは言葉尻だけど、メンタリズムってなに?。心理術ってなに?。「心理学」でないものをカタカナや少し表現を変えて、まるで心理学の様に装っている。心理学といえば嘘になるので、似た言葉を用いて相手を誤認させる手段はまさに詐欺師の常套手段。

 実例で言うと、「消防署の方[ほう]から来ました。」と言うのは消防署の方[かた](関係者)ではなく、方角的に消防署の方[ほう](方角[ほうがく])からやってきたと言う意味だが、与える印象は「消防署関係者」である。これと同じ原理である。

 つまり、心理学っぽいが、心理学的要素は0%。それがメンタリズムという事である。

 マジック(手品)ファンとしては、こういう、まやかしや戯言にマジック(手品)が悪用されるのは好きになれないので、思うところを書きなぐってみた。


(*1)マジックは絶対に失敗しない

 演出として「失敗するかも?」と思わせることはマジックの要素として大切。

 ただし、よっぽどの不運がない限りマジックは絶対に失敗しないくらい簡単なタネから成り立っているか、技術的に難しいマジックであるならば、失敗しないところまで練習して人前に立つべきものである。

 あと、実際に失敗をしても同業者(マジシャン)でもない限りそれが失敗と気がつかないことも多い。

(*2)マジシャンズチョイス:観客が自由に選んだ様に見せて、実際にはマジシャンが言葉巧みに観客を誘導し、観客が選んだ様に見せる技法

 たとえば、2冊の本がありそれぞれをAおよびBとし、観客にAを渡し、マジシャンがBを保持したい場合があったとする。その場合、AとBの本を並べて置いて、「どちらの本がいいですか?」と聞きます。
1.観客がAを選んだ場合、「あなたはあなた自身でAの本を選びましたね。余ったBは私が持っています。」と言う。
2.観客がBを選んだ場合、「ではこちらの本(B)を使いますので私にください。余った方のAは入れ替えなどができない様にあなた自身がしっかりと持っていてください。」。
と、どちらを選んでも観客がAの本を持ち、マジシャンがBの本を持つのだが、この結末はまるで観客自身が選んだ様に見える(応用すれば、心を操られたように思える)。

(参考)心理学者の方からみたメンタリズム>心理学者 メンタリズムの嘘・イカサマを暴く(リンク切れ)→http://mentalismnouso.blog.jp/archives/3398494.html)

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