漢方関係

弁厥陰病脈証併治下第十二(第326条~第381条)

各条
・原文
・現代中国語解説
・現代中国語解説の日本語訳。
の順に記載。
 ただし、日本語訳は管理人の翻訳のため翻訳精度は低いと考えられる。




第326条
厥阴之为病,消渴,气上撞心,中心疼热,饥而不欲食,食则吐蛔,下之利不止。
厥阴上热下寒证的主要症候特征,是口渴能饮水,气逆上冲心胸,胃脘部灼热疼痛,虽然腹中饥饿,但又不想吃东西,倘若进食就会出现呕吐或吐出蛔虫。如果误用攻下,就会导致腹泻不止。
厥陰の上熱下寒証の主な特徴は、喉の渇きがあって水を飲み、気がk胸部に突き上がって来て、胃部は熱感があって痛み、お腹は空いているが物を食べたくなく、もし食べたなら嘔吐するか回虫を吐く。もしも誤って攻下したら下痢がとまらなくなる。



第327条
厥阴中风,脉微浮为欲愈,不浮为未愈。
厥阴感受风邪,如果脉象微微见浮的,是病邪从阴出阳,其病将要痊愈,如果脉象不浮的,是邪仍在里,疾病尚未好转。
厥陰が風邪に冒され、もし脈が微で浮なら病邪は陰から陽に出て、少ししたら回復する。脈が浮でないなら邪は依然として裏にあり、まだ状態は好転していない。



第328条
厥阴病欲解时,从丑至卯上。
厥阴病将要解除的时间,一般在1时至7时之间。
厥陰病が治る時間は、普通、13時から19時である。



第329条
厥阴病,渴欲饮水者,少少与之愈。
厥阴虚寒证,出现口渴想要喝水时,是阴寒邪去、阳气回复之象,可以给病人喝少量汤水,就可痊愈。
厥陰虚寒証の時に喉が渇いて水を飲みたい時は陰寒邪が去り、陽気が回復しているからで病人に少しの水を飲ませると過ぎに完治する。



第330条
诸四逆厥者,不可下之,虚家亦然。
凡属虚寒厥逆证,不能用攻下药治疗,凡是身体虚弱的,也不能用攻下药治疗。
一般的な虚寒厥逆証は攻下薬を用いて治療してはならない。おしなべて体の虚弱な人も攻下薬で治療してはならない。



第331条
伤寒先厥,后发热而利者,必自止,见厥复利。
伤寒病,先出现四肢厥冷,以后转为发热的,为阴去阳复之象,此时,虽有腹泻,一定会自行停止。如果再转为四肢厥冷的,为阴进阳退,就会再出现腹泻。
傷寒病で、まず四肢の冷えが出て、その後に発熱に転じたなら、陰が去り陽が回復している。この時、下痢をしていても、下痢は自然に治る。もし再び四肢の冷えが出たら陰が侵入して陽が退いているので、再び下痢になる。



第332条
伤寒始发热六日,厥反九日而利。凡厥利者,当不能食,今反能食者,恐为除中。食以索饼,不发热者,知胃气尚在,必愈,恐暴热来出而复去也。后日脉之,其热续在者,期之旦日夜半愈。所以然者,本发热六日,厥反九日,复发热三日,并前六日,亦为九日,与厥相应,故期之旦日夜半愈。后三日脉之,而脉数,其热不罢者,此为热气有余,必发痈脓也。
伤寒病,开始发热六天,四肢厥冷及腹泻反有九天。凡是四肢厥冷而腹泻的,一般为阳衰阴盛,应当不能饮食,现在反而能够饮食,恐怕是中气败绝的除中证。此时,可给病人吃一些面条之类的食物以作试探。如果吃后突然发热而又猝然退去的,是除中证;如果吃后不出现这种发热的,可以断定胃气仍然存在,其能食是阳复的表现,就一定会痊愈。第二天进行诊查,病人发热继续存在的,可以推测第二天半夜痊愈。之所以这样,是因为原先发热六天,其后四肢厥冷九天,再发热三天,与原先发热的六天相加,也是九天,与四肢厥冷的日期相等,所以预测第二天半夜痊愈。三天后再进行诊查,如果出现脉数不除、发热不退的,这是阳复太过,阳热有余,一造会产生疮痈脓疡的变证。
傷寒の病にかかり、発熱して6日が経ち、四肢が厥冷して下痢し9日が経った。おしなべて四肢が厥冷して下痢するのは、陽が弱って陰が盛んになり、飲食ができずない。却って食べ過ぎるのは、恐らく中気が無くなる除中の証である。この時、病人に試しに麺類を食べさせてみる。もし、食後に急に発熱して直ぐに熱が引くようであれば除中証である。もし食後にこの手の発熱が無ければ、胃気はまだ存在すると言い切れ、陽が回復しているので、必ず良くなる。二日目に診察をして発熱が続いているのは、夜のうちに治ると推測される。それは発熱して6日、その後四肢の冷えが9日、再び発熱して3日、最初の6日と合わせると9日となり四肢が冷えていた期間と同じになる。だからその日の夜に良くなるのだ。3日後に再度検査をして、脈がに数が出現し続け、発熱も引かなければ、陽が回復しすぎて余っている。恐らく膿を含んだデキモノができる。



第333条
伤寒脉迟六七日,而反与黄芩汤彻其热。脉迟为寒,今与黄芩汤,复除其热,腹中应冷,当不能食,今反能食,此名除中,必死。
外感病,脉迟已经六七天,却反而用黄芩汤清除其热。脉迟主寒,其证属虚寒,现在却反而用黄芩汤清热,必使阴寒更甚,腹中应该更加寒冷,照理应当不能饮食,现在却反而食欲亢盛能够进食,这就是除中,预后不良。
外感病で脈がすでに遅くなって6,7日が経って、黄芩湯で熱を冷ました。 脈の遅は主として寒で、その証は虚寒証になる。却って黄芩湯で冷ましたことで寒はさらにひどくなり、腹中は冷え飲食はできなくなるはずだが、むしろ食欲が旺盛となり食べられるのは除中であり、予後不良である。



第334条
伤寒先厥后发热,下利必自止,而反汗出,咽中痛者,其喉为痹。发热无汗,而利必自止,若不止,必便脓血,便脓血者,其喉不痹。
外感病,先见四肢厥冷而又腹泻,以后转为发热的,是阳复阴退,其腹泻一定会自然停止。如果发热反见汗出、咽喉红肿疼痛的,是阳复太过、邪热上迫,就会产生喉痹的变证。如果发热无汗、腹泻不止的,是阳复太过、邪热下迫,就会出现下利脓血的变证。如果发生下利脓血,就不会发生喉痹。
外感病で、まず四肢の厥冷があって下痢して、その後に発熱するのは陽が回復して陰を退けているので下痢は自然と回復する。もし発熱して発汗があるなら、咽喉が腫れて痛む。これは陽が過剰で熱が上に上がっているから喉痺となっている。発熱して汗が出ず下痢が止まらないのも陽が過剰で、熱は下に下がっている。その場合は膿血便が出るが、喉痺にはならない。



第335条
伤寒一二日至四五日,厥者必发热,前热者后必厥,厥深者热亦深,厥微者热亦微。厥应下之,而反发汗者,必口伤烂赤。
外感病,起病一二日到四五日,如果四肢厥冷伴发热,并且发热在先、四肢厥冷在后的,是属于热厥。其四肢厥冷的程度越严重,则郁闭的邪热就越深重;四肢厥冷的程度轻微,则邪热郁闭也就轻微。热厥应当用清下法治疗,如果反用发汗法治疗,就会使邪热更炽,发生口舌生疮、红肿糜烂的变证。
外感病に罹って1,2日から4,5日のうちに四肢の厥冷と発熱がでて、発熱が先で後から厥冷が出たなら、それは熱厥である。その四肢の厥冷の程度が強いと、邪熱も程度が強く、四肢の厥冷の程度が軽ければ邪熱の程度も軽い。熱厥は攻下法用い治療する。もし、却って発汗法を用いてしまうと、邪熱の勢いがさらに盛んになり、口や舌にデキモノが出来て、赤くただれてくるだろう。



第336条
伤寒病,厥五日,热亦五日,设六日当复厥,不厥者自愈。厥终不过五日,以热五日,故知自愈。
伤寒病,四肢厥冷五天,发热也是五天,假如到了第六天,应当再出现四肢厥冷,如果不出现四肢厥冷的,就会自行痊愈。这是因为四肢厥冷总共只有五天,而发热也是五天,四肢厥冷与发热时间相等,阴阳趋于平衡,所以知道会自行痊愈。
傷寒の病で、四肢が厥冷して5日、発熱も5日が経ち、6日目になれば、再び厥冷が出現するはずである。もし四肢の厥冷が出現しないのであれば、自然と回復する。これは四肢が厥冷して5日経ち、発熱も5日で、厥冷と発熱の期間が同日なので陰陽のバランスがとれているので、自然に回復することが分かる。



第337条
凡厥者,阴阳气不相顺接,便为厥。厥者,手足逆冷者是也。
所谓“厥”,是指四肢冷而言。凡属厥证,都是阴气和阳气不能互相顺接所致。
いわゆる「厥」とは、四肢の冷えを指す言葉で、厥証と言う。陰気と陽気が相互に接続できないためである。



第338条
伤寒脉微而厥,至七八日肤冷,其人躁无暂安时者,此为藏厥,非蛔厥也。蛔厥者,其人当吐蛔。令病者静,而复时烦者,此为藏寒,蛔上入其膈,故烦,须臾复止,得食而呕,又烦者,蛔闻食臭出,其人常自吐蛔。蛔厥者,乌梅丸主之。又主久利。
外感病,脉象微而四肢厥冷,到了七八天,出现周身肌肤都冰冷,病人躁扰不安,没有片刻安静,这是内脏阳气极虚所致的脏厥证,不是蛔厥证。 蛔厥证的症候,是病人有发作性的心烦腹痛,让病人安静却又时而发作心烦腹痛,这是肠中有寒,蛔虫不安其位向上钻入膈内(胆道)所致,过一会儿烦痛就会缓解。进食后,又出现呕吐、腹痛而烦的,是因为蛔虫闻到食物气味上扰所致。此外,病人常有呕吐蛔虫的表现。蛔厥证用乌梅丸主治,此方又主治久泻。
外感病で、脈が微で四肢が厥冷して、7,8日が経ち、全身の皮膚が冷え、病人が 落ち着かずイライラして片時も落ち着か無いのは、内臓の陽気が著しく虚しているからであり臓厥証であり、回厥証では無い。回厥証の証候は、発作的なイライラと腹痛で、時として安静にしていても症状が出る。これは腸内に寒があり、回虫が上って胆道に入り込んだためで、少ししたら症状は緩解する。食べた後に吐き気をもよおすのは、イライラと腹痛が現れるのは、回虫が食べ物の匂いを嗅ぎつけかき乱すからであり、さらに病人が常に回虫を吐きたがっている現れである。回厥証は烏梅丸を用いて治療し、慢性の下痢にも主治である。



第339条
伤寒热少微厥,指头寒,嘿嘿不欲食,烦躁,数日小便利,色白者,此热除也,欲得食,其病为愈。若厥而呕,胸胁烦满者,其后必便血。
外感病、邪热郁遏较轻,四肢厥冷轻微,患者仅指头发凉,神情沉默,不想进食,烦躁不安。经过几天,出现小便通畅、颜色清亮的,这是里热已经解除的征象,此时,病人如想进食,示胃气已和,其病将要痊愈。如果热邪加重出现四肢厥冷并见呕吐、胸胁满闷而烦躁的,此后就会发生便血的变证。
外感病で邪熱は比較的抑えられていて、四肢の厥冷は軽微で、ただ指先が冷え、表情はなく、食欲が無くてイライラして落ち着かない。数日が経ち、小便がよく出だし、その色が透明なのは裏熱はすでに解除されている。この時、食欲があるのは胃気がすでに和しているので病はもうすぐ治る。もし邪熱がさらに加わり四肢の厥冷と合わせて嘔吐が見られ、胸や脇が悶々として張ってイライラするなら、この後に血便が出る。



第340条
病者手足厥冷,言我不结胸,小腹满,按之痛者,此冷结在膀胱关元也。
病人手足厥冷,自诉无胸胁心下疼痛,而觉小腹胀满,触按疼痛的,这是寒邪凝结在下焦膀胱关元部位的缘故。
手足が厥冷して、患者自身は胸腹部の痛みは無く、小腹部が張った感じがして触ると痛いと訴えている。これは下焦の膀胱関元部に寒邪が凝結している所以である。


第341条
伤寒发热四日,厥反三日,复热四日,厥少热多者,其病当愈。四日至七日,热不除者,必便脓血。
外感病,发热四天,四肢厥冷仅只三天,又发热四天,四肢厥冷的时间少而发热的时间多,疾病应当痊愈。如果到了第四天至第七天,发热仍不退的,是阳复太过,热伤血络,必致下利脓血。
外感病に罹り、発熱が4日して、四肢の厥冷は3日しかなく、また4日発熱して四肢の厥冷の時間が少なく発熱の時間が多いのは、病気が治ってきている。もし、4日目から7日目の間、熱が引かないのであれば、陽気が回復し過ぎているので、熱が血絡を傷つけ必ず膿便になる。



第342条
伤寒厥四日,热反三日,复厥五日,其病为进。寒多热少,阳气退,故为进也。
外感病,四肢厥冷四天,发热却只有三天,又见四肢厥冷五天,这是疾病在进展。因为四肢厥冷的时间多而发热的时间少,为阳气退阴寒邪气进,所以是病情进展。
外感病に罹り、四肢の厥冷が4日、発熱が3日だけで再び四肢の厥冷が5日間見られるのは、病気が進行している。四肢の冷えの時間が多く、発熱の時間が少ないのは、陽気が寒邪に圧されて入り込まれているのでそうなる。



第343条
伤寒六七日,脉微,手足厥冷,烦躁,灸厥阴,厥不还者,死。
外感病六七天,脉微,手足厥冷,烦躁不安,应当急灸厥阴的经穴。如果灸后四肢厥冷仍不转温的,属于死证。
外感病に罹り6,7日が経ち、脈は微で手足が厥冷して、気持ちはイライラしていたら、急いで厥陰の経穴にお灸をする必要がある。もし、お灸の後に四肢厥冷が依然として続くようなら、死証に属す。



第344条
伤寒发热,下利厥逆,躁不得卧者,死。
外感病,发热,腹泻,四肢厥冷,神昏躁扰不能安卧的,是阴极阳脱之象,属于死证。
外感病に罹り、発熱、下痢、四肢の冷え、意識がはっきりせずそわそわして落ち着かずゆっくり寝てられないのは、陰極陽脱(陰気が強くなって、陽気が無くなる)の現象で死証に属す。



第345条
伤寒发热,下利至甚,厥不止者,死。
外感病发热,腹泻十分严重,四肢厥冷一直不回复的,为阳气脱绝之象,属于死候。
外感病に罹り発熱して下痢が甚だしく、四肢は厥冷して回復する兆しが見えないのは、陽気が完全に抜けてなくなっている現象で、死にゆく症候である。



第346条
伤寒六七日,不利,便发热而利,其人汗出不止者,死。有阴无阳故也。
外感病六七天,开始不腹泻,接着出现发热腹泻,病人大汗淋漓,汗出不停止的,是阴盛阳亡的表现,病情险恶。
外感病に罹り、6,7日は下痢が無く、そのあと続いて発熱下痢が出て、大汗が滴り、汗が止まらないのは、陰が盛んになり陽がなくなっている。病状はかなり悪い。



第347条
伤寒五六日,不结胸,腹濡[注],脉虚复厥者,不可下,此亡血,下之死。
外感病五六天,没有结胸证的表现,腹部柔软,脉象虚软而又四肢厥冷的,这是血虚所致。不能用攻下法治疗,如果误用攻下,就会更伤其血,可导致死亡。
外感病に罹り5,6日が経ち、結胸の症状は無く腹部は柔らかく、脈は虚で軟、また四肢は厥冷している。これは血虚が原因である。瀉下させてはならない。もし誤って瀉下させると更に血を傷つけて、死に至るかも知れない。



第348条
发热而厥,七日下利者,为难治。
发热而又四肢厥冷,为阴盛阳亡之象,到了第七天,又发生腹泻的,是难治之候。
発熱して四肢の厥冷もあるのは、陰が盛んで陽が無くなっている現象である。7日が経過して、下痢が出てくるのは難治である。



第349条
伤寒脉促,手足厥逆,可灸之。
外感病,脉象促而四肢厥冷,可用温灸法治疗。
外感病で、脈は促で四肢の厥冷があるのは、温灸法で治療できる。



第350条
伤寒脉滑而厥者,里有热,白虎汤主之。
外感病,脉象滑而手足厥冷的,是里有邪热所致,用白虎汤主治。
外感病で、脈は滑で手足が厥冷するのは、裏に邪熱がある。白虎湯を用いて治す。



第351条
手足厥寒,脉细欲绝者,当归四逆汤主之。
手足厥冷,脉象很细,好象要断绝一样的,用当归四逆汤主治。
手足が厥冷して、脈が細でその程度が強くて今にも途切れそうなのは、当帰四逆湯を用いて治す。



第352条
若其人内有久寒者,宜当归四逆加吴茱萸生姜汤。
如果病人素有寒饮停滞体内,而又见上证的,可用当归四逆加吴茱萸生姜汤治疗。
もし、寒陰が普段から体内に停滞しているかそう見える場合は、当帰四逆加呉茱萸生姜湯を用いて治療できる。



第353条
大汗出,热不去,内拘急,四肢疼,又下利厥逆而恶寒者,四逆汤主之。
大汗淋漓,而发热仍不退,腹中拘急,四肢疼痛,又见腹泻、四肢厥冷而怕冷的,是阴盛阳亡的表现,用四逆汤主治。
大汗がぽたぽたと滴り、発熱は依然として残り、腹中が引きつって、四肢が痛み、また下痢があって四肢が厥冷して寒がるのは、陰が盛んで陽が無くなっている。四逆湯を用いて治療する。



第354条
大汗,若大下利,而厥冷者,四逆汤主之。
大汗淋漓,如果腹泻很厉害,而又四肢厥冷的,用四逆汤主治。
大汗がぽたぽたと滴り、ひどい下痢をして四肢が冷えるなら四逆湯を用いて治療する。



第355条
病人手足厥冷,脉乍紧者,邪结在胸中,心下满而烦,饥不能食者,病在胸中,当须吐之,宜瓜蒂散。
病人手足厥冷,脉忽然现紧象的,这是实邪结在胸中所致,应有胸脘部胀满不适,虽然饥饿却不能吃东西等症状,当用涌吐法治疗,可用瓜蒂散。
病人の手足が冷えて、脈が急に緊になるのは、胸中に実邪があるためで、胸や胃のあたりが張って気持ちが悪く、空腹感はあるものの、食べ物は食べられない。吐法を用いて治療すべきであって、瓜蒂散を用いることができる。



第356条
伤寒厥而心下悸,宜先治水,当服茯苓甘草汤,却治其厥。不尔,水渍入胃,必作利也。
外感病,四肢厥冷,心胸部悸动不宁,这是水饮内停所致,必须先治水饮,当用茯苓甘草汤,然后再治四肢厥冷。不然的话,水饮浸渍入肠,势必引起腹泻。
外感病にかかり、四肢が厥冷して胸がドキドキして落ち着かないのは、水飲が内に停滞しているからである。まずは水飲を治療する必要があり茯苓甘草湯が使える。その後、四肢の厥冷を治療する。そうしないと、水飲が腸まで浸り、必ず下痢を引き起こす。



第357条
伤寒六七日,大下后,寸脉沉而迟,手足厥逆,下部脉不至,喉咽不利,唾脓血,泄利不止者,为难治,麻黄升麻汤主之。
外感病六七天,峻下以后,出现寸部脉沉而迟,尺部脉不现,手足厥冷,咽喉疼痛,吞咽困难,唾吐脓血,腹泻不停的,是难治之证,用麻黄升麻汤主治。
外感病にかかって6,7日が経って、峻下させた後に寸脈が沈で遅になって、尺脈はその様にならず、手足が厥冷し、喉が痛み、飲み込むことが困難となって、膿血を吐き、下痢が止まらないのは難治に証である。麻黄升麻湯を用いて治療する。



第358条
伤寒四五日,腹中痛,若转气下趋少腹者,此欲自利也。
外感病四五天,腹中疼痛,如果腹内有气转动下行趋向小腹的,这是将要腹泻的先兆。
外感病にかかり4,5日が経ち、お腹の中が痛く、もし腹中の気が小腹部に向かって下がるなら、これは下痢になる兆候である。



第359条
伤寒本自寒下,医复吐下之,寒格更逆吐下,若食入口即吐,干姜黄芩黄连人参汤主之。
外感病,本属虚寒腹泻,医生却用涌吐、泻下法治疗,致使上热与下寒相格拒,如果再次误用吐下,出现饮食进口就吐的,用干姜黄芩黄连人参汤主治。
外感病にかかり、本来は虚寒証による下痢を、医者がむしろ吐法や瀉下法を用いてしまい、上熱と下熱が互いに拒みあっている。もし誤ってさらに吐法を用いて、食べてもすぐに吐いてしまうようになったら、干姜黄黄連人参湯を用いて治療する。



第360条
下利,有微热而渴,脉弱者,今自愈。
虚寒腹泻,出现轻微发热,口渴,脉象弱的,是邪气已衰,阳气来复,疾病即将痊愈。
虚寒の下痢があって、軽度の発熱、口の渇き、脈の弱が出現するのは既に邪気が衰え、陽気が回復してきているので、病気はすぐに治る。



第361条
下利,脉数,有微热汗出,今自愈,设复紧为未解。
虚寒腹泻,如果脉象由紧转数,微微发热汗出的,是阴去阳复,其病即将痊愈。如果脉又现紧象的,为阴寒邪盛,其病没有缓解。
虚寒の下痢があって、もし脈が緊から数に変わり、少し発熱して汗が出るのは、陰がさり陽が回復している。病はすぐに全快する。もし脈が再び緊になるのは陰の寒邪が盛んで 病は緩和していない。



第362条
下利,手足厥冷,无脉者,灸之不温,若脉不还,反微喘者,死。少阴负趺阳者,为顺也。
腹泻,手足厥冷,无脉搏跳动的,急用灸法以回阳复脉。如果灸后手足仍不转温,脉搏跳动仍不恢复,反而微微喘息的,属于死候。如果足部的太溪脉和趺阳脉仍有搏动,而趺阳脉大于太溪脉的,为胃气尚旺,属可治的顺证。
下痢して手足は厥冷し、脈が触れない者は、急いで灸法で陽気を戻し脈を回復させる。灸をしても手足が温まらず、脈が触れないままで、反して少し咳が出るようであれば、死候に属す。もし足部の太渓脈と趺陽脈の脈は触れていて、趺陽脈が太渓脈に対して大きければ、胃気はまだ勢いがあり、治癒が可能な順証に属する。



第363条
下利,寸脉反浮数,尺中自涩者,必清脓血。

腹泻,寸部脉反见浮数,尺部脉现涩的,是阳热盛而阴血亏,热伤阴络,可能会产生大便泻下脓血的症候。
下痢しているが寸脈は浮で数、尺脈に渋が現れるのは、陽熱が盛んで陰血が不足している。熱が陰絡を傷つけている。膿血を伴った下痢になるだろう。



第364条
下利清谷,不可攻表,汗出必胀满。
腹泻完谷不化,多属阴盛阳衰,此时,即使兼有表证,也不能发汗解表,如果误发其汗,就会引起腹部胀满的变证。
食べたものが消化しきれていない下痢は陰が盛んで陽が衰えている証である。この時にたとえ表証があっても発汗解表をさせてはならない。もし誤って発汗させると、たちまち腹部膨満が出るだろう。



第365条
下利,脉沉弦者,下重也;脉大者,为未止;脉微弱数者,为欲自止,虽发热,不死。
腹泻或下痢,如果脉沉弦的,是肝经湿热壅滞,多会出现里急后重;脉大的,为病势进展,腹泻不会停止;脉微弱数的,是邪退正复,腹泻将要停止,此时,虽有发热,也没有危险。 下痢して脈が沈で弦なら、肝経に湿熱が塞がり滞って、裏急後重が現れる。
脈が大なのは病勢は進んでおり、下痢は止まらないだろう。 脈が微弱で数なら、邪は退き正気が回復しているので下痢はじきに止まるだろう。この時発熱があっても危険ではない。



第366条
下利,脉沉而迟,其人面少赤,身有微热,下利清谷者,必郁冒[注]汗出而解,病人必微厥。所以然者,其面戴阳,下虚故也。
腹泻不消化食物,脉象沉而迟,病人面部微发潮红,体表轻度发热,这是下焦阳虚阴盛,虚阳上浮。如果病人四肢厥冷轻的,则阳虽虚而不甚,阳与阴争,就一定会出现眩晕昏冒、随之汗出而病解的现象。
消化不良の下痢をして、脈は沈で遅、顔は微かに紅潮して、体表は少し発熱している。これは下焦が陽虚陰盛であり、虚陽が浮き上がっているからである。もし、病人の四肢厥冷は軽い場合は、虚がそれほど強くなく、陰と陽が争っている。必ずめまいやふらつきが現れ、汗が出た後に回復する。



第367条
下利,脉数而渴者,今自愈。设不差,必清脓血,以有热故也。
虚寒腹泻,出现脉数而口渴的,是阳气回复,其病将要痊愈。假如不痊愈,则是阳热有余,势必引起大便下脓血。
虚寒の下痢で、脈が数で喉の渇きが出るのは陽気が回復しているのですぐに病は回復する。もし癒えないようであれば、陽熱が余っているので必ず膿血便となる。



第368条
下利后脉绝,手足厥泠,晬时脉还,手足温者生,脉不还者,死。
腹泻频剧,脉搏一时摸不能,手足厥冷,经过一昼夜,脉搏恢复,手足转温的,是阳气恢复,尚存生机;如果一昼夜脉搏仍不恢复的,则无生还之望。
下痢がひどく、脈が一時的に触れることができず、手足が厥冷している状態から、一昼夜が過ぎて脈が回復し、手足が暖かくなってくるのは陽気が回復しているので生存のチャンスはある。もし一昼夜しても脈が回復しないのであれば、生存の望みはない。



第369条
伤寒下利,日十余行,脉反实者,死。
外感病,患虚寒腹泻,一天十余次,脉象本当微弱沉迟,却反而出现弹指有力的实脉的,为真脏脉见之象,属于死候。
外観病で、虚寒の下痢が1日に十数回あり、脈は本来は弱沈で遅だが、却って短く力強い実脈なのは、危ない状態の脈(真臓脈)であり、死証に属す。



第370条
下利清谷,里寒外热,汗出而厥者,通脉四逆汤主之。
腹泻完谷不化,发热、汗出而四肢厥冷,证属里真寒、外假热,用通脉四逆汤主治。
消化不良の下痢をして、発熱があり、汗が出て四肢が冷えるのは、まさに裏真寒証であり発熱は疑熱である。通脈四逆湯を用いる。



第371条
热利下重者,白头翁汤主之。
热性下痢,里急后重的,用白头翁汤主治。
熱性の下痢が出て、裏急後重する場合は、白頭翁湯を用いる。



第372条
下利腹胀满,身体疼痛者,先温其里,乃攻其表,温里宜四逆汤,攻表宜桂枝汤。
虚寒腹泻,腹部胀满,身体疼痛的,是表里同病,应当先温里寒,然后再解表邪。温里宜用四逆汤,解表宜用桂枝汤。
虚寒の下痢をして、お腹が張り、身体が痛むのは、表裏同病であり、まず先に裏を温めてから、表邪を解する。裏を温めるのは四逆湯を用いて、解表には桂枝湯を用いる。



第373条
下利欲饮水者,以有热故也,白头翁汤主之。
下痢,口渴想喝水的,是里有热的缘故,用白头翁汤主治。
下痢して口が乾き水を飲みたがるのは、裏に熱があるためである。白頭翁湯を用いて治療する。



第374条
下利谵语者,有燥屎也,宜小承气汤。
腹泻并见谵语、腹部硬痛的,是肠中有燥屎阻结,可用小承气汤治疗。
下痢してうわ言が出て、腹部が硬いのは、腸内に乾いた便が詰まっているからである。小承気湯を用いて治療する。



第375条
下利后更烦,按之心下濡者,为虚烦也,宜栀子豉汤。
腹泻后心烦更甚,触按胃脘部柔软,这是无形邪热内扰胸膈所致,宜用栀子豉汤治疗。
下痢してイライラが強く、胃部のあたりは柔らかいのは、形を形成しない邪熱が胸腹部内にあるからで、梔子豉湯を用いて治療する。



第376条
呕家有痈脓者,不可治呕,脓尽自愈。
宿有呕吐的病人,如果是内有痈脓而引起的,不能见呕而止呕,应解毒排脓,脓尽则呕吐自然痊愈。
もともと嘔吐し易い病人にデキモノができたら、嘔吐を止めてはならない。解毒排膿すべきで、デキモノが無くなれば嘔吐は自然に治癒する。



第377条
呕而脉弱,小便复利,身有微热,见厥者难治,四逆汤主之。
呕吐而见脉弱,小便通畅,体表有轻度发热,如果见到四肢厥冷的,是阴盛虚阳外越之候,治疗较为困难,可用四逆汤主治。
嘔吐と脈弱があり、小便はよく出て、体表は少し熱を持っていて、もし四肢に冷えがあれば、それは陰盛虚陽が外に出ている証候で、治療は比較的困難である。四逆湯を用いて治療する。



第378条
干呕吐涎沫,头痛者,吴茱萸汤主之。
干呕,吐涎沫,头痛的,是肝寒犯胃、浊阴上逆所致,用吴茱萸汤主治。
嘔吐[えず]いて、よだれが出て頭が痛くなるのは、肝寒犯胃で、濁陰が上に上ってきているからである。呉茱萸湯を用いて治療する。



第379条
呕而发热者,小柴胡汤主之。
呕吐而见发热的,可用小柴胡汤主治。
嘔吐として発熱する場合は小柴胡湯を用いて治療できる。



第380条
伤寒大吐大下之,极虚,复极汗者,其人外气怫郁,复与之水,以发其汗,因得哕,所以然者,胃中寒冷故也。
伤寒病,用峻吐峻下法治疗,导致胃气极度虚弱,而又表气郁滞不畅,医生再与饮水以发汗,使汗出很多,胃气重虚,胃中寒冷,气机上逆,因而发生呃逆。
傷寒の病に罹り、強い吐法や下法を用いて治療して、胃気が極度に弱って表気が鬱滞して流れなくなり、医者が水を与え発汗させ、汗を出させると、胃気が重度に虚して胃中が冷え(胃中寒冷)て、気機が上逆した結果としてしゃっくりがでる。



第381条
伤寒哕而腹满,视其前后,知何部不利,利之即愈。
外感病,呃逆而腹部胀满,这是实邪内阻所致。应询问病人大小便是否通畅,以便采取不同的治疗措施。如果病人大便不通,是实邪阻结于肠,应用通利大便法,实邪去则病可愈;如果是小便不通畅,则是水饮内阻,当用渗利小便法,水饮去则病可除。
外感病に罹り、シャックリがでて腹部が張るのは、実邪が抵抗となっているからである。患者に大便、小便の調子を聞いて、それに応じて手立てを講じなくてはならない。 もし便秘そしているなら、実邪は腸にあって疎通を阻んでいるので便をつけてあげる方法をとり、実邪が去ればすぐに治るだろう。もし小便の出が悪いのであれば、水陰が内で抵抗となっている。当然に小便の出を良くする方法を取り、水陰が去ればすぐに治るだろう。

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