読後感

営業を変えるマーケティング組織のつくりかた(アナログ営業からデジタルマーケティングへ変革する)/上島千鶴

タイトル:営業を変えるマーケティング組織のつくりかた(アナログ営業からデジタルマーケティングへ変革する)
初版:2021年4月9日
発行:株式会社技術評論社
著者:上島千鶴[かみしまちずる]

対面営業のKKD(勘・経験・度胸)神話が崩壊する中、デジタル時代に対応する仕組みを作るには?

本著の帯より

 KKD神話が崩壊する。とあるけれど、すでに崩壊して久しい様な気がする。それでも、大手200事業体を超えるマーケティング戦略プロジェクトを指南してきた(と帯に書いてある)著者がこの様に書いているのは、まだまだ大手企業ですらKKDの経営トップが多いと言うことがわかる。本著の至る所にも「昭和型」の文字が見られる。

 そして、役員会でマーケティング戦略について説明を求められた時の注意点については「専門的なマーケティング横文字を使わない。(P142)」とのこと。さらに「マーケティングという言葉の意味を知らない、理解していない方に対して“マーケティグとは何か”を説明するのは、時間の無駄です。(P142)」ともある。

 実際、多くの企業がそうなんでしょうし、大手200事業体(大企業のことか?)でそうであれば、残り99.7%の中小企業実情は推し量れる。もっとも、スタートアップ企業はむしろ逆だろうけれど。横文字は私も嫌いです。厳密に言うと、やたらと横文字を使う人が嫌いかな?(笑)

 本著では、各社のデジタルマーケティングの取り組みの段階を5つにわけて、その程度に応じてよくある失敗例や取り組むべき方向性などについて記載されている。

 結論として感じたこと。最終的なデジタルマーケティングの推進は、相応の予算も必要とするし、社内のあらゆる部門との連携も必要になる。そして、一朝一夕(1、2年)で成果が出せる物ではない。なので、経営企画・経営方針に限りなく近くなってくる。だからこそ、経営層にメリットをしっかりと理解してもらい、全社で取り組む必要があると言うこと。

 ただ、昭和型な企業にはそれが最も難題なのですが・・・。


成果を出すには、道具ではなく使う側の仕組みや考え方が大前提となります。しかし、成果が出ないと道具から入った企業は道具のせいにする傾向があり、(中略)
そもそも自社の略がない・何をしたいのか要望すら伝えられない状態では、請ける側も作業代行で終わります。○○コンサルティング。という名称から、何か示唆や知見や体験を提供されると勘違いしていることも問題にあがります。ツールの導入コンサルは、設定代行サービス、と同義語だと思ったほうがいいでしょう。

P91

 とりあえず、「DX」とか「デジタルほにゃらら」が流行っているからうちもやってみよう。と言うことで、導入が目的と化しているとこうなるんでしょうね。時代が変わっても人と人の関係は変わらない、だからKKDは今も正しいと考える人たちからしたら、デジタルツールを使って、何ができるのかすら理解できていないと思うし。幻想だけは大きくて、予算をかけてツールを導入したら、鴨の大群がネギを鉄鍋に入れて運んできてくれると思っていても不思議ではないし。

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