• 読後感

    女性たちが見ている10年後の消費社会:市場の8割を左右する「女性視点マーケティング」:日野佳恵子

    タイトル:女性たちが見ている10年後の消費社会
    初版:2021年2月11日
    発行:同文舘出版株式会社
    著者:日野佳恵子[ひのかえこ]

    https://honto.jp/netstore/pd-book_30656840.html

     単純に男女比である1:1で購買行動が決定されるのではなく、これまでも女性が購買行動を左右してきた。さらに、これから社会情勢の変化に伴い、よりいっそう女性の影響が強くなるため、(これまで皆無であった)女性視点のマーケティングの重要性と具体例、対処の仕方などについて書かれている。

     (私自身の狭い世間でしかないが)例えば、男性用スーツを購入するにしても、よく女性と一緒に買い物に来て、女性の意見を聞きながら購入を進めている夫婦(あるいは恋人同士?)を見かけたりする。翻って、女性服専門店内でそういう光景は少ないと思う。場合によっては、買い物において男性はお店の外で暇そうにスマホをいじりながら、嫁さん(あるいは彼女)の買い物が終わるのを待っている光景もよく見かける。
     他にも、外で食事をする場合のお店選びなども、女性が決めている方が多い様な気がする。あくまでも私と私の周りの人たちの意見なので、世間全般がそうだとは言い切らないが。

  • 読後感

    ドラッグストア拡大史:日野眞克[ひのまさかつ]:なぜDg.Sは一人勝ちできたのか!?

    タイトル:ドラッグストア拡大史
    初版:2021年2月15日
    発行:株式会社イーストプレス
    著者:日野眞克[ひのまさかつ]

    https://honto.jp/netstore/pd-book_30704447.html

     著者は、月間MD(月間マーチャンダイジング)主幹。1990年代からのドラッグストア(以下、Dg.S)の拡大(発展)史を時系列にまとめられている。

      一般的に引用されるダーウィンの進化論にみられる、強いものが勝ち残ったわけではなく、変化に対応できたDg.S企業の拡大の歴史が分析・解説されている。もちろん、その過程で衰退していった企業もある。

  • 読後感

    リーダーの仮面(「いちプレーヤー」から「マネージャー」に頭を切り替える思考法):安藤広大[あんどうこうだい]

    タイトル:リーダーの仮面(「いちプレーヤー」から「マネージャー」に頭を切り替える思考法)
    初版:2020年11月24日
    発行:ダイヤモンド社
    著者:安藤広大[あんどうこうだい]

    https://honto.jp/netstore/pd-book_30492046.html

     著者の提言する「識学」には何ら異論なく、どちらかと言うと、私自身が目指すところ、実践して来たところ、そうしたいところである。

     文体も読みやすく、全体を通して読み応えあり。全編を通して違和感もなく、2、3時間ほどで読み終えてしまった。

     本著中で、著者自身が、ちょっとドライな人間関係の提言などに対して「非難・批判もあるが」と記載しているが、全くもってその様なことは感じることはなかった。

  • 読後感

    ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人:東野圭吾[ひがしのけいご]

    タイトル:ブラック・ショーマンと名もなき町の殺人
    初版:2020年11月30日(2020年12月30日:3刷) 
    発行:株式会社光文社
    著者:東野圭吾[ひがしのけいご]

     ミステリー度は低いかも。なので、ミステリーファンに物足りないかもしれない。あまりミステリー小説を読み慣れていない私にとっては、読みやすくストーリーに引き込まれて面白かった。

  • 読後感

    組織の罠:クリス・アージリス[Chris Argyris]:河野昭三(訳者)

    タイトル:組織の罠
    初版:2016年3月30日 
    発行:毎日新聞出版社
    著者:クリス・アージリス[Chris Argyris]
    訳者:河野昭三[こうのしょうぞう]

     本書は組織行動論の大家クリス・アージリス渾身の遺作である。彼の半世紀にわたる研究成果の集大成と今後の研究の出発点が示される。人間は誰であれ、理想を標榜しつつも脅威に直面すると平然と自己防衛の振舞いを見せる。従来の組織研究ではこのことが無視されていると批判し、防衛的思考から建設的思考へ転換させる組織学習の在り方が説かれる。組織マネジメントの研究者や実務家すべての共有財産とすべき貴重な必読書。

    本著の帯より

     ちょっと難しい。読むのに結構な時間がかかった。そして時間がかかった割に、ほとんど理解できていないと思われる。

     少しでも専門的な教育を受けた方ならそうでないのかも知れないけど、まったくの素人(理系的)にはちょっと難しかった。

     そう言うことも踏まえた上で、以下、読後感。

  • 読後感

    空洞のなかみ:重松豊:毎日新聞出版社:2020年10月30日 

    タイトル:空洞のなかみ
    初版:2020年10月30日 
    発行:毎日新聞出版社
    著者:重松豊[しげまつゆたか]

    https://honto.jp/netstore/pd-book_30517760.html

     三井住友カード会員会報誌に紹介されていた一冊。

     「愚者譫言」と言う、書き下ろし部分(俳優が主人公の物語)と「演者戯言」と言うサンデー毎日に連載されていたエッセイからの、2部で構成されている。

     重松豊氏は「孤独のグルメ」のドラマ版に出演されていたので知っている。

     原作が好きだったので、ドラマシリーズも数話を観たし、台湾編は特に全話を観たと思う。さらに、台北旅行に行った時には、舞台となった食堂にも寄ってみたりもした。(だからこの本を購入したわけでもないけれど)

     ただ、ほとんどTVは観ないので、残念ながら他は全く知らないけど・・・。

    台湾編で舞台となったお店の店内
  • 読後感

    猫は神さまの贈り物 エッセイ編

    タイトル:猫は神さまの贈り物<エッセイ編>
    初版:2020年10月15日 
    発行:株式会社実業之日本社
    著者:奥野信太郎,木村荘八,寺田寅彦,大佛次郎,豊島与志雄,白石冬美,長部日出雄,熊井明子,夏目漱石,中村眞一郎,柳田國男,山崎朋子,黒田亮,島津久基,谷崎潤一郎,吉行淳之介

    《猫》をテーマにしたアンソロジーで、原著は1982年に発行された『猫は神さまの贈り物』。

    2014年に小説編、エッセイ編に分冊し、作品が追加されて改訂復刊の、さらにその改訂復刊版となる。

    こちらは、<エッセイ編>となる。先の<小説編>と同時購入。

    小説編、エッセイ編と続け様に読了し、面白かったんだけれど、エッセイ編後半に一作だけきな臭いのが混じっていた(笑)

    以下、感想など

  • 読後感

    猫は神さまの贈り物<小説編>:森茉莉、宮沢賢治、星新一ほか(アンソロジー)

    タイトル:猫は神さまの贈り物<小説編>
    初版:2020年10月15日 
    発行:株式会社実業之日本社
    著者:森茉莉、吉行理恵、室生犀星、佐藤春夫、小松左京、梅崎春生、宮沢賢治、金井美恵子、星新一

    《猫》をテーマにしたアンソロジーで、原著は1982年に発行された『猫は神さまの贈り物』。
    2014年に小説編、エッセイ編に分冊し、作品が追加されて改訂復刊の、さらにその改訂復刊版となる。

     著者や内容も気にせず、アンソロジーであることすら確認せずに、タイトルのみで、<エッセイ編>と合わせて、ジャケ買いならぬ「猫買い」をした。

  • 読後感

    坊主は乞食だぞ 願われて生きる:林暁宇

    タイトル:坊主は乞食だぞ 願われて生きる
    初版:2007年7月20日(第二刷発行 12月25日)
    発行:株式会社樹心社
    著者:林暁宇[はやし ぎょうう]


     坊主なんて今時いらんでしょ?(管理人の主観による坊主感です。)

     この著者ら(著者および登場人物)が生きた時代は、第二次世界大戦の戦前、戦中、戦後であり、今とは到底時代が違ったのだとは思う。

     なので、著者や暁烏敏[あけがらすはや]氏(著者の師)、あるいは他の登場人物の様な生き様(いかに苦しくても仏道を行く)もあったのだろう。ただ、現代では二つの意味でそれはもうないと思う。

  • 読後感

    10年後、君に仕事はあるのか?

    タイトル:10年後、君に仕事はあるのか?
    初版:2020年9月10日
    (2017年2月、ダイヤモンド社より刊行された『10年後、君に仕事はあるのか?-未来を生きるための「雇われる力」』に、加筆・修正。)
    発行:株式会社筑摩書房
    著者:藤原和博[ふじはらかずひろ]

    概要

     高校生へ語りかけるスタイルの優しい文体。内容も全体的には読み進めやすい。
     広く世界あるいは広い世界で活躍・活動したい若者(中高生)が自己の理想を叶えるための行動の指針が書かれている。
     表題は「〜仕事はあるのか?」と問うているが、内容は「あるか・ないかの二択ではない。この変化の激しい世の中に対応すべく求められる行動と考え方が示されている。

     そして、その方法(世の中の変化に対応する方法)は学校の勉強だけではないが、学校の勉強の大切さ、部活を含めた遊ぶことなどあらゆる切り口から語れている。

  • 読後感

    数学的に考える力をつける本:深沢真太郎

    タイトル:数学的に考える力をつける本
    初版:2020年7月10(2020年10月20日 第5刷発行)
    発行:株式会社三笠書房
    著者:深沢真太郎[ふかさわしんたろう]

     書店をぶらぶらしていて、ふと目にとまったので、長期休暇(年末年始休暇)用に購入。

     超ざっくりと書くと、「数学の問題を解くように、論理的な展開の話し方を実践する」について言及している啓蒙本。

    数学的思考

     早速本題。

     前後は割愛するが、「山手線の内回りと外回りの距離はどれくらい違うのか?」という話があった。

     瞬間的に、著者とほぼ同じ考えが出てきた。それは二つの円のイメージが頭に浮かび、次に線路と線路の距離を想定し、その距離の2倍(つまり、半径の差の2倍)×円周率だよね?という考え。むしろ、この問いを聞いて、他にどんな考え方が何が出てくるというのだろうか。

  • 読後感

    日没:桐野夏生

    タイトル:日没
    初版:2020年9月29
    発行:株式会社岩波書店
    著者:桐野夏生[きりのなつお]

     自分で購入する本を選択すると、同じ様な分野の著書に食指が動く。バランスを取るためにも、毎月送られてくる三井住友カードの会員会報誌に紹介されている本も参考にして購入している。先月送られてきた号の紙面で紹介されていたのが本作。

    読後感

     舞台は日本の現代なので、ありそうな感を醸し出した「世にも奇妙な物語」系。普通に小説としては読み応えがある。これ系の小説を読むのはおそらく初めて。絶対に自分では選択しないジャンル。

     あらすじとしては、読者が良しとしない小説を書くと言う理由で、劣悪な状況で軟禁される主人公。他にも政府の意向に沿わない(反政府的)であるなどの理由で同様に収容される作家たち。施設の人間の言う「厚生」を果たせば開放さえると言うが、言論の自由や人権が当然にして認められる現代において、この様な軟禁自体の正当性を認めることは許されず、抗う主人公の結末は・・・(以下、小説の内容の通り)。

  • 読後感

    コトラーのリテール4.0:フィリップコトラー、ジュゼッペ・スティリアーノ

    タイトル:コトラーのリテール4.0/デジタルトランスフォーメーション時代の10の法則

    初版:2020年4月30日

    発行:朝日新聞出版社

    著者:フィリップ・コトラー[Philip Kotler]、ジュゼッペ・スティリアーノ[Giuseppe Stigliano]

    監修:恩藏直人[おんぞうなおと]

    訳:高沢亜砂代[たかざわあさよ]

     20年ほど前、ネットショップが台頭を始めた頃、巷では「これからはネットの時代。既存の小売店は推定するしか道はない。」と言う様なことが、時代の流れ・本流の様に語られていたと記憶している。

     2020年現在、確かに衰退・撤退した企業もあるが、実際にはネットショップのamazonが実店舗を展開するなど、当時とは違う動きになってきている。

     本書の第2章では、実店舗とECサイト、あるいはWeb上のサービスの垣根が低くなって(あるいは無くなって)きている小売(リテール)業界の実情に触れながら、対応を10の法則として解説されている。

     10の法則は、デジタルトランスフォーメーション時代(DX時代)以前からそうあるべきものもり、DX時代だからこそのものもある。

  • 読後感

    タネの未来(僕が15歳でタネの会社を起業したわけ):小林宙

    タイトル:タネの未来
    初版:2019年9月20日
    発行:(社)家の光協会
    著者:小林宙[こばやしそら]

     

     高校生が書いた本と言うことで、「若い子が頑張っているんだね。」的な見方をしてしまうかもしれない。しかし、感想としては、年齢は関係なく一つの作品(書籍)として読んだ方が面白い。なので、副題について、商売として消費者の興味を引く(販売数を増やさないといけない)ために必要と言う点は理解しつつ、個人的な感想としては(副題は)不要だと感じた。副題(15歳で起業)のインパクトに引っ張られて、高校生のサクセスストーリー的な読み物かと勘違いしてしまう。もちろん、読み進めればすぐにそうではない事に気がつくが。

  • 読後感

    法廷遊戯:五十嵐律人

    タイトル:法廷遊戯
    初版:2020年7月13日
    発行:(株)講談社
    著者:五十嵐律人[いがらしりつと]

     全体としては、話の流れや物語はわかりやすく、文体や表現も平易に書かれていて読み易い。

     目まぐるしく展開する物語に、徐々に繋がってくる登場人物の過去と現在(事件)。特に後半は、伏線の回収を含めて、小気味よく進んでいく。

  • 読後感

    よくわかるこれからのデジタルマーケティング:船井総合研究所

    タイトル:よくわかるこれからのデジタルマーケティング
    初版:2020年8月18日
    発行:同文舘出版(株)
    著者:船井総合研究所[ふないそうごうけんきゅうしょ]

     確かに基本的な用語解説から、具体例まで書かれていて、特に前半では導入のノウハウも丁寧に書かれているので参考になるところは多いと思う。

     とは言え、今更に「これからはITだ!」とか言っているレベルの人や「SNS」、「SEO」、「CRM」などの単語すら聞いたことない程度の知識の人には何を言っているのか全くわかないと思う。

  • 読後感

    ブランディングが9割:乙幡満男

    タイトル:ブランディングが9割
    初版:2020年7月1日
    発行:(株)青春出版社
    著者:乙幡満男[おとはたみつお]

     企業規模を問わず、ブランドがもたらす影響力(メリット)がいかに大きく大切であるかについての解説があり、企業規模(特に中小企業)に合わせたブランディングの違い、具体的なボジショニングの取り方や差別化の方法について、作者の経験などから紹介されている。

     全体に渡って「できるだけコストをかけず」を意識した具体的な手法は大手企業でなくてもできる(できそう)なところが良い。

     むしろ、大手企業ではできない(できるが大手企業ではメリットが見出せない)方法もある。ニッチャー戦略的な部分はマーケティングにも通じることろがある。(マーケティングとブランディングの違い・関連性についても本文中に言及あり)

  • 読後感

    河童:芥川龍之介

    タイトル:河童

    初版:1927年

    初出:「改造」1927年3月号

    著者:芥川龍之介[あくたがわりゅうのすけ]

     現代にこの作品を発表しようものなら、「差別だ!、偏見だ!」と騒ぎ立てる人たちが血相を変えて出版社に抗議しそう。と言うことを最初に感じた。作品の内容とは別にして。

     内容は、河童の国でしばし暮らしたと言う、精神病院の患者の妄想。最後の章でも、河童が(人間界に)見舞いとして持って来た黒百合の花束のくだりがある。しかし、その花束は患者にしか見えておらず、花束が幻覚であると言う描写がある。つまり、内容がSFではなくそれが精神病患者の妄想であることを最後にも再確認している。

     黒百合は「使い古した生乾きの雑巾の臭い。」が強烈です。おそらく、それらを知って、あえて黒百合としたのだと思いますが。(黒百合は、咲くやこの花館で展示されています。)

     語られている河童の世界は、人間界(日本)においての常識が河童の世界の非常識であったり、河童の世界の常識が人間界の非常識であったりする。思えば、物語の終始においてその違いが語られている。男女の事情、仕事の価値観、親子関係の常識、はては政治や法律、芸術まで色々な主題が短編小説に濃縮されて詰め込まれている。おそらく時代背景などから色々と風刺も含められているのだと思う。

     特に生死感については独特のものがある。例えば、ある工場で新しい機械技術が発明され大量生産が可能になると、働いている職工たちは解雇されるだけでなく殺処分され、河童肉は食用にされたり(職工が殺されるのも仕方なく、騒いでも仕方ないのが河童の世界の常識)、あるいは「貴様は盗人だ。」と言われただけで心臓痲痺を起こしたり、相手に「お前は蛙だ。」と言うだけで相手を殺すことができたり。そのほか、生まれてくるときは、生まれてくるか否かを選択できたり・・・。

     本作品が芥川龍之介の晩年に書かれたことを鑑みると、色々と思うところがあったのだと思う。

     ただ、面白いか?(趣があるか?)と言われたら「うーん、微妙。」と言うところ。(私の文学に対する理解の程度および能力が低いことは承知の上で)

  • 読後感

    会社の数字の基本のキホン:村形聡

    タイトル:会社の数字の基本のキホン
    初版:2016年12月30日
    発行:(株)新星出版社
    著者:村形聡[むらかたさとし]

     本当に一から財務諸表などを勉強したい新入社員レベルで平易な言葉で書かれていてわかりやすい。

     お金の流れに競馬の馬券購入やお菓子屋の開設・運営などを例にして身近に感じられる工夫もされている。

     内容はタイトルの示す通り、基本も基本。だけど、この基本を人に説明しようと思うとなかなかこれが難しくて・・・。(どう平易に伝えるか・教えるか)そう言う点で参考になった。

  • 読後感

    なんとなくわかった気になる 漢方の歴史:三室洋

    タイトル:なんとなくわかった気になる 漢方の歴史
    初版:2019年5月28日
    発行:(株)あかし出版
    著者:三室洋[みむろひろし]

     確かに「なとなくわかった気に」なれた(笑)

     老舗漢方メーカーの学術担当者が書いた漢方の歴史本。漢方に関する書籍や漢方家を、時代を追って紹介・説明している。

     「漢方」、「歴史」と言うと両者とも堅苦しい印象を受けるが、内容は平易な言葉で説明されているので、堅苦しくもなく、良い意味で軽い感じで読める(表向きは軽いが、膨大な資料をあたっていることは容易に感じ取れる内容であり、読み進めやすいが読み応えもある)。

     各章で一つの時代を構成していて、中国古代の歴史から順を追って解説されている。また、私の様な「遣隋使、遣唐使、三国志」くらいしか中国の歴史に対して知識がない人間でも理解できるように書かれている。ページ上部に歴史を追うごとに“パス型パンくずリスト”の様な年表が順次に伸びていったり、最初にざっくりと全体的な歴史の解説があるなど、時代の流れが理解しやすい様に工夫もされている。

     これまで漢方の歴史を体系的に学ぶにも、一つ一つ自分で調るのも大変であり、難解な本を読んだりするのはさらに大変な労力を要する。そのうえ、そもそも精神的な障壁が大きく触手が伸びない分野であった。けれど、この本1冊で(なんとなく)漢方の歴史がわかった(気になれた)。

     歴史の話だけでなく、関連する話題や情報にも触れられており、興味深くかつ飽きることはない。

     さらに、人物(著者)に関する、漢方に関する事以外の情報も加えることで、人物像を想像して、さらに興味を深める。あるいは、単純に漢方医学医学書の歴史だけはなく、例えば、李東垣がなぜ補中益気湯を創りだす必要があったのか?など、その時代背景、要因・必然性も解説されているなど、人に話したくなるような面白い小話(?)もある。

     読み止まることなく一気に読み終えた。

     索引もついているので、参考資料としても利用しやすくなっている。