読後感

ぜにざむらい/吉川永青

タイトル:ぜにざむらい
初版:2021年2月28日
発行:株式会社朝日新聞出版社
著者:吉川永青[よしかわながはる]

 武に秀で、知にも長けるが、商人のごとく“ぜに”に執した岡左内(定俊)。
 戦国時代の若狭で幼くして浪人となるも、その才気を買われ蒲生氏郷や上杉景勝に重用され、活躍。侍でありながら利殖に通じた岡は、仁に満ちた“資産運用”によって仲間や主君の窮地をたびたび救った。
 現代のビジネスパーソンにも示唆を与える、ユニークな戦国武将の生きざまを活写する。

VISA会報誌 5月号より

 VISA 情報誌からのチョイスシリーズ。(見識を広めるため、VISA 情報誌に紹介された本を自分の好みに合う合わないを問わずとにかく読むシリーズ)


 小さい頃から歴史は苦手。実在の人物であることは読み終わってから知った。そして、ストーリー中の戦[いくさ]や出来事などは史実に沿っている様子(と思う)。


「幸せを?銭で買う?」(主人公・源八)
「買えるもんやよ。覚えときね」(商人・高嶋屋久次)

P44

 タイトルは「ぜにざむらい」となっている。そのため「お金(銭)をかせぐこと」を面白おかしく描いた小説っぽく思っていた。
 しかし、序盤で交わされた、二人のこの会話が全編を通して根底に流れている。お金の稼ぎ方ではなく、お金の活かし方が主たる題目となっている。

 全編を通して、屈託ないまっすくな主人公の活躍は心地よく、テンポ良い物語は最後(最期)まで楽しめた。


 話の中で、金利の話もでてくるが、半年で10%。ひでー。とか思ったけれど、ほんの少し前の日本でも爽やかなCMとともに宣伝されていてサラ金は年利25%前後の利率だったので、半年で10%(=年利21%)はまだ良識のある方か。また、現在の日本での上限利率は20%(10万円未満)なので、全くもってひどくない。


 調べた言葉

  • 寛典[かんてん]:寛大な恩典。また、慈悲深い(情のある)処置・処分。
  • 右筆[ゆうひつ]:武家の秘書役を行う文官のこと。
  • 近習[きんじゅ]:主君のそば近くに仕える役。
  • 面映ゆい[おもはゆい]」:(他人の前で褒められたり、罰が悪かったりして)恥ずかしい、照れ臭い、きまりが悪い。
  • 薨去[こうぎょ]:皇族または三位以上の貴人の死去すること。
  • 蟄居[ちっきょ]:(武家や公卿に科した刑の一つ)閉門を命じた上、さらに一室に謹慎させること。家の中に閉じこもって外に出ないこと。虫などが冬眠のために地中に潜っていること、潜っている場所。
  • 苦衷[くちゅう]:苦しい心のうち。苦しい胸の中。
  • 滂沱[ぼうだ]:雨が激しく降る様。涙がとめどなく流れる様。(滂沱の涙)
  • 知行[ちぎょう]:幕府や藩が家臣に俸禄として土地を支給したこと。(他にも時代ごとに意味が違う)
  • 捨扶持[すてぶち]: 江戸時代、由緒や功績のある家の老幼・婦女・廃疾者などに恵与として与えたわずかな給米。 転じて、 役にも立たないものに与える扶持米や生活費。捨知行ともいう。「捨て扶持で雇っておく」

ぜにざむらい

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