読後感

エレジーは流れない/三浦しをん

タイトル:エレジーは流れない
初版:2021年4月25日
発行:株式会社双葉社
著者:三浦しをん[みうらしをん]

 のどかだがさびれた餅湯温泉に暮らす高校生の怜は、決まらない進路、2人の母親、自由奔放な仲間に振り回されながらも、“ぬるま湯”でのんびり過ごしている。だが地元の博物館から縄文式土器が盗まれたことから、日常が動き始めて……。懸命にいまを生きる“おバカ”な高校生たちが愛おしく、その友情と青春を思わず応援してしまう。心温まる、元気になる一冊。

VISA会報誌 7月号(No.557)より

 ちょっとクール(に気取りたい)年頃の高校生が主人公。青春群像小説という分類になるのか?(本の帯に記載)。
 VISA会報誌の書籍紹介にもある通り、二人の母親の謎や、縄文土器が盗まれる出来事はあるが、基本的には謎が謎を呼ぶような大事件はない。ドキドキ・ハラハラはない。代わりに「ふっ」っと笑ってしまったり、「いいねぇ、こう言う青春」なんて思いながら読める。主人公以外の強烈なキャラクターたちも愛着が湧いてしまう。

 将来への漠然とした不安もありながら、それでも根拠なくこのおバカな幸せが永遠と続くような気がしていた・・・。そんな時代を懐かしみながら読めた。


調べた言葉

  • う‐ろん【胡乱】
    • 乱雑であること。勝手気ままでやりっぱなしであること。また、そのさま。
    • 不確実であること。不誠実であること。あやしく疑わしいこと。合点がゆかず、ふに落ちないこと。また、そのさま。胡散うさん。
  • すわ:〘感動〙 人に注意したり、事態の進展に自ら驚いたりしたときに発する語。それっ。さあ。

エレジーは流れない

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