カメラ・写真,  戯言・由無し事

これは応募できないやつだ<写真コンテスト

 神社やお寺の写真も撮り溜めているので、応募しようかと思ったけれど、応募要項にトンでもないことが記載されていた。何も考えずに応募したらエラい目に遭うところだった。

応募規約

・当コンテストにご登録された個人情報は、東建コーポレーション株式会社(以下、弊社)が当コンテストの運営上で必要な範囲で利用して管理致します。

・応募作品の著作権は、応募と同時に応募者から弊社に移転します。

・応募者は、応募写真が第三者の権利を侵害しないことを保証し、著作者人格権を行使しないものとします。

【刀剣ワールド】寺・神社写真コンテスト より抜粋
(冒頭の「・」および文章への着色は本Blog管理者による追記)

 納得づくで応募するのであれば良いけれど、本コンテストは、応募しただけで写真の著作権を差し出すことになる。
 つまり、応募した写真は、東建コーポレーション(株)の許可を得ない限り、自分で撮影した写真のはずなのに!自身のHPですら掲載することができなくなる
 私の様な自身のBlogで写真を掲載したりし、SNSで投稿していた場合、それらの写真は著作権法違反になる。
 旅行中にiPhoneで適当に撮った写真で、思い出に残らない様な(iPhoneから今すぐ削除しても構わない。むしろ、保存容量を圧迫するから消したい程度の)写真であれば問題ない。応募後、iPhoneからも削除して、なかったことにすればいいし、あわよくそれが入選すれば賞金がもらえるのだから全く問題はない。
 ただ、コンテストに応募するとなると、それなりに撮れた1枚(すなわち良く撮れた写真)を応募すると思う。なので、そう言う残しておきたい写真の著作権が奪われない様に注意する必要がある。
 なので、せめて「入賞作品は当社の販売促進活動の範囲で無償で自由に使うことを認めたものとする。」あるいは「銅賞以上の作品の著作権につきましては、商品提供と同時に当社に帰属します。」くらいにしていただけるとありがたい。

 応募できないもう一つの理由は、著作人格権を行使しないものとするとの記載。
 もし、応募作品の写真の価値が認められて、東建コーポレーション(株)がその写真を利用してくれたとする。それはそれですごくありがたい。しかし、著作人格権を放棄するということは、東建コーポレーション(株)には、撮影者(応募者)の了承を得ることなく、名前を掲載する必要すらまったくなくなる。さらに、勝手に改変(色を変えたり、トリミングしたり、合成したり)も自由に行え、加えて加工の有無に関わらず全応募作品をさも自らの作品であるかのごとく世に公表できると言うことを意味する。
 ただし、この点に関しては、著作権法第59条の「著作者人格権は、著作者の一身に専属し、譲渡することができない。」との兼ね合いとして疑問が残る。同条がいわゆる任意規定であるならば、応募規約を当事者の合意(契約)とみなせば問題ないとも思える。反して、強行規定であれば応募規約が無効と言うことになるのだろう。ただ、大企業中の大企業である東建コーポレーション(株)様がそんな間抜け(違法・無効)なことをすることはあり得ないだろうから法的な問題はないのだと思う。
 確かに「権利の上に眠るものは保護に値せず」と言う法格言はある。ただ、それも程度の問題であって、著作人格権等まで細かく知っている人の方が実際には少ないと思う。法的に問題ないからと言って、その隙をついてる来る様な姿勢は、企業の社会的な面を鑑みていかがなものかとは感じてしまう。

※上記の法的解釈は、行政書士合格者(未登録)である素人(当Blog管理者)によるものです。専門家の意見や判例によるものではございません。

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