読後感

ゼロから学べる!ファシリテーション超技術:ファシリは最強のビジネススキル!:園部浩司

タイトル:ゼロから学べる!ファシリテーション超技術
初版:2020年10月5日
発行:株式会社かんき出版
著者:園部浩司[そのべこうじ]

 本の帯に「今日から使える!上手な話術もリーダーシップもいらない!6600人受けた超人気講座が本になりました!」と記載されている通り、今日から使えるレベルで平易な具体例が多く提示されている。

 「リーダーシップもいらない。」はちょっと誇張かな?。しかし、ファシリテーターに必要な部分のリーダーシップについてはしっかりと述べられているから大丈夫。

全体を通して

 会議の主催者といえば「議長」だが、議長とはまた違う「進行役」としてファシリテーター。本著では「会議が円滑に行われるよう、そのプロセスをリードし、活発な意見が出る“場づくり”を演出する役割を担う人」と定義され、会議の設計から会議中のリードや場づくりまでを行う人を指す。

 会議の種類は様々あるけれど、特に「問題発見・解決会議」に焦点を当てて説明がなされている。

 それらの会議あるあるとして、問題の発見、原因分析、解決法の模索・選定、解決計画の策定などが、順不同かつ同時進行で行われていることだと指摘している。確かに、わーわー言うけれど、まとまりのない会議って多い様に感じる。


 会議の進め方が、ドラマなどで出てくるような、偉い人(役員クラス)が議長席にドカンと座り「君、何か意見はないか?」と言う、一方通行タイプの会議。

 営業会議で、管理職が「数字の未達はどこで詰めるんだ?いくら積み上げるんだ?」と問い詰めるだけで、問題を洗い出すわけでも解決できる訳でもなく、営業マンにプレッシャーを与えるだけの会議

 また、「会議は踊る、されど進まず」の言葉にもある通り、結局、互いにまとまりなく進んでいき、合意(コンセンサス)が得られず、最後の最後は力関係で決まってしまう会議などなど。

 これらの会議が罷り通っているのであれば、役立つだろう。

 「ゼロから学べる」とのタイトルの通り、具体的なアジェンダ(課題項目・進行表)の見本や、その内容で注意すべき点などが記載されているので、いきなりは無理でも意識するだけで大きく変われると思われる。ただし、本著内でも書かれているが「俺の、俺の話を聞けぇ!5分だけでもいい(タイガー&ドラゴン)」な権力者からは抵抗に合う。


 あとは、ファシリテーター(リーダー)としての心構えなどもある。(この辺りは、著者の(優しい)性格も入り込んでいて、「それはちょっと・・・」と言うところもあったりする。

 ただ、前提として、ファシリテーター(リーダー)としての心構えや会議中の対応の仕方などは、会議に限らず管理監督職にある立場であるなら応用できることが多々あると思う。

 例えば、「会議中に腕組みをしない。(P126)」や「自分とは異なる意見でも否定しない。(P127)」など。

 会議中に腕組みをしないは、考え事をする際など、ついついしてしまいがち。会議中の腕組みは気をつけようと思った。

 会議外でも、自席に座りながら眉間にシワを寄せて、腕組みなんかしていたら、そんな上長に部下たちはなかなか相談・連絡しにくいものだと思う。報連相は大事とか言いながら、難しい顔をしていたり、なんか知らんけれど忙しそうにしている人もいてる。そんなの絶対に相談しにくいよな、と思う。

 あと、「自分とは異なる意見の否定をしない」は、それこそ会議中に限ったことではない。これは意識さえすれば結構簡単に改善できる。自分と意見が違っても、本著でも書かれている通り「そう言う意見もあるんですね。」と答えればいい。

 万一、その意見が理解し難いことであっても、「そう言う意見もあるんですね。」と答えた後に「面白い意見ですね、その意見に至った経緯・理由を教えてください。」と聞く様にしている。


 あと、最近の特記事項としては、やはりオンライン会議について。おすすめ機材やオンライン会議サービスなどの実質的なところの解説は、この手の技術に弱い方には参考になると思われる。

 あと、議論の別れるところである「オンライン会議の顔出しか否か」。本著の著者は、メラビアンの法則を例に出し、「顔出し」を推奨している。もちろん、ケースバイケースだし、会議のメンバー(の能力、個性)にも依るのでどっちが正解とも言えないところではある。私自身は顔を出してますし、相手の表情もみながら話をしたいですし。

際たるは営業(売上会議)ではないだろうか?

 色々な業種・業界の方と交流(と言う名の飲み会だけど)をしていると、多くの会社では、営業会議といえば「数字が下がっているのは何故だ!どうするんだ。」と営業担当を詰める会議がまだまだ横行している様に思える。

 そして、一応はみんなで話し合った体をしながら、(「ダイレクトメールしよう。」とか「訪問件数を増やそう。」などの)場当たり的な対策をテキトーに決めて、極め付けは最後に営業トップが「よし!(数字)必達に向けて、一丸となってガンバロー!」なんて言い出す始末な会議が多い様に思える。

 それらのどこに問題があり、どういう手順で解決していくのかの提案もある。

 ただ、その手(根性論)の会議を主催する人たちは、自らのやり方を疑わない。そのため、会議の方法を改善する気がなく、改善提案の試みに対しては、もっとも高く・厚い壁となって立ちはだかる。


少しだけ違和感(ファシリテーションとは違うけれど)

A で進めたところ、少々問題が発生したのです。そのときあるメンバーにこう言われました。「園部さんの言うとおりにやったんだから、あとは園部さんお願いします」と。
(中略)
Bは予想通り、多くの問題がありました。
(中略)
自力で立ち上がり、上司へ責任転嫁せずに必死でリカバリーするために奔走してくれました。

P133

 問題の少ないAと、問題の多いB。著者が独断でAを選んだら、部下たちがちょっとしたことで言い訳をしてうまくことが進まなかった。その後、よく似た事案では、問題は多いものの、部下たちが支持するBを選択肢して、多くの問題が発生したが、部下たちは一所懸命に取り組み成果をだしてくれた。と言う事例。

 本著の本題から外れるので、多くは書かないけれど、これは会議の決定事項への課程の問題ではなく、組織として別問題がある。給与を得ている限りは、合意形成に自らの意思とは真逆であったとしても「Why not the best?」(ジミー・カーター)と言いたくなる。

 私の矜持は「いかなる理由があろうと仕事においては、与えら得た条件で最高の結果を導き出す。」と言うのがある。ただ、本著の例の様な「だって、私はその意見・結論には反対でしたから。」と言いのける会社員が多いことも確かですけれどね。

 本著では、合意形成について「100点は目指さない。70点程度でいい。(中略)そして、決まった以上は、全員がその仕事に100%コミットする! そのスタンスでいればいいと思います。」(P120)と記載されている通り、これはこれで目指さないといけないところではあると思う。

 

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