読後感

マンガでわかる!うつの人が見ている世界

タイトル:マンガでわかる!うつの人が見ている世界
発売日:2023年6月29日(同年8月7日 第2刷)
出版社:文響社
著者:大野裕
漫画:工藤ぶち

 一昔前(昭和の頃)と違って、うつ(鬱病)に対する認識や偏見も少なくなってきたとは思う。それでもなお、うつ病そのものが大変であることは理解しているつもりではある。
 本著において、一言で「うつ(鬱)」と言ってもさまざまなパターンがあり、同じ鬱といえども、同じことを言われても、人によっては良かったり、NGだったりと難しいところもあることがわかった。
 もし、家族が近親者がそうなったのであれば、少しでも良い対応、方法を模索するヒントとしては、ちょうど良い書籍かもしれない。
 家族や親しい人なら、気遣いも苦ではない。やはり、「どうにか協力したい。」と言う気持ちが先にくるだろう。
 翻って、仕事上の付き合いや、それほど親しくないのであれば、「うつ(鬱)だから」と言う理由だけで、本著に紹介されている様な気遣いは到底できない。詳細は割愛するけれど、誰しもストレスを受けて生きている中で、たとえ鬱を患っているからといって過分な気づかいは難しい。ともすれば「鬱だと言えば免罪符として何でもわがままが通るのか?」と言う気持ちすら湧きかねない。(全てとは言わないが「うつ」を盾にして、他人には結構ひどいことを言っている現場を見たこともある。もちろん、他人に気遣いをする余裕がないのが「うつ」だと言うことも理解できる。ただ、だからと言って、それほど親しくもない間柄でそれをやられて、やられた(言われた)方が一方的に我慢する必要はないとも思う。)

 いずれにせよ、生きていく限りは「頑張るしかない」。精一杯に頑張ってた上で、うまく行かない或いは自分の思い通りにならないのであれば、それは自らの実力がその程度なんから、現実を受け入れて今の頑張りを続ける(より一層の頑張りは不要)か、あるいはその頑張り方が間違えているのだから、他の方法を模索してみるの二択しかないと思っている。
 ただ、その様な思考をすることすら難しくなった状態が「うつ」なんだと思うけれど・・・。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です